2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

05【20世紀の記憶 1903(M36)年】

05【20世紀の記憶 1903(M36)年】(ref.20世紀の全記録) 1900年の義和団事件で、日本と並んで多くの出兵をしたロシアは、満州から撤兵せず、さらに朝鮮半島(大韓民国)にまで触手を伸ばしつつあった。三国干渉で返還させられた遼東半島も、ロシアが租借する…

04【20世紀の記憶 1902(M35)年】

04【20世紀の記憶 1902(M35)年】(ref.20世紀の全記録) この年の初め、「栄光の孤立」を続けた大英帝国が、新興の日本と「日英同盟」を結んだ。この年の物故者は、2月にティファニーの創業者チャールズ・ルイス・ティファニー、3月には、英国のアフリカ進出…

03【20世紀の記憶 1901(M34)年】

03【20世紀の記憶 1901(M34)年】(ref.20世紀の全記録) この年、大英帝国に63年にわたって君臨したビクトリア女王が死去し、7つの海を制した大英帝国繁栄の歴史に一区切りがついた。女王の治世末期には、さしもの大英帝国の国力にも陰りが見られ、ドイツ、…

02【20世紀の記憶 1900(M33)年-02】

02【20世紀の記憶 1900(M33)年-02】 (このシリーズは『20世紀の全記録/講談社1987』を参考図書として記述する。以降「ref.20世紀の全記録」と略記) 中学生の頃、『北京の55日 "55 Days at Peking" 1963』という大作映画が公開されたのを憶えている。当時は…

01【20世紀の記憶 1900(M33)年-01】

01【20世紀の記憶 1900(M33)年-01】 19世紀が産業革命と帝国主義の時代とすると、20世紀は、さらなる科学技術の発展と人口爆発の時代だった。飛行機、潜水艦、宇宙ロケットなどの開発により、人類は深海から、空、宇宙にまで行動範囲を拡大し、一方で、人口…

【06 昭和60年 小京都】by「THE日本/1985」

【06 昭和60年 小京都】by「THE日本/1985」 全国各地に「小京都」と呼ばれる街がたくさんある。「小京都」のWikipediaでの解説を引用する。≪小京都(しょうきょうと)とは、古い町並みや風情が京都に似ていることから、各地に名づけられた街の愛称である。室…

【05 昭和60年 ライバル都市対決 横浜vs神戸】by「THE日本/1985」

【05 昭和60年 ライバル都市対決 横浜vs神戸】by「THE日本/1985」 現在の横浜市が都市を形成するきっかけは、源頼朝が鎌倉幕府にまでさかのぼるが、近代の港町として発展する契機となったのは、幕末の開港以来となる。日米修好通商条約が結ばれたのは神奈川…

【04 昭和60年 ライバル都市対決 札幌vs福岡】by「THE日本/1985」

【04 昭和60年 ライバル都市対決 札幌vs福岡】by「THE日本/1985」 北海道は「蝦夷地」と呼ばれ、江戸時代には松前藩が置かれていたが、主にアイヌ人が居住する地であった。明治初めに「札幌」に開拓使が置かれ、封建的地位を解かれた士族などを中心に、「屯…

【03 昭和60年 東西対決】by「THE日本/1985」

【03 昭和60年 東西対決】by「THE日本/1985」 元記事のタイトルは「宿命の東西激突?! 日本のビッグは東京?! 大阪?!」となっている。今や政治経済力では雲泥の差がついてしまった東京と大阪、いや首都圏と関西圏といっても同じことかも知れない。今どき、対決…

【02 昭和の路面電車】by「THE日本/1985」

【02 昭和の路面電車】by「THE日本/1985」 昭和には多くの都市で活躍していた路面電車も、いまや交通事情などから廃止された路線が多い。筆者は京都市内の北区に生まれ育ち、ほぼ30歳ぐらいまでその地で生活していた。京都市内で最も北を走っていた市内電車…

【01 昭和末にみる京都のおもしろ前衛建築】by「THE日本/1985」

【01 昭和末にみる京都のおもしろ前衛建築】by「THE日本/1985」 手元に『日本が見える、日本が読める大辞典・「THE日本」』(1986年講談社刊)という大型の本がある。当時、多くのカラー写真が掲載された一冊ものの辞書・図典シリーズが刊行されていて、そのつ…

ディートリッヒ、モロッコ、リリー・マルレーン

【ディートリッヒ、モロッコ、リリー・マルレーン】 「妖艶・退廃的・脚線美」と並ぶと、マレーネ・ディートリヒを思い浮かべる人も多いだろう。彼女は、1901年にプロイセン王国の首都ベルリンに生まれ、第一次・第二次世界大戦下を生き抜いて、数奇な運命を…

フランケンシュタインと英語の絵本

【フランケンシュタインと英語の絵本】 『フランケンシュタイン "Frankenstein"』は、イギリスの小説家メアリー・シェリーが1818年に匿名出版したゴシック小説であり、SFやホラー小説の先駆でもある。原題は『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメ…

【三島由紀夫と男と女・右脳と左脳】

【三島由紀夫と男と女・右脳と左脳】 いま手元に三島由紀夫著「文章読本」というのがある。粗末な紙の印刷で、古本屋の店頭ならべてあったのを50円で買ったものだ。奥付には、昭和34年1月号「婦人公論」の別冊付録となっている。「不道徳教育講座」というエ…

啓蟄

【啓蟄】 今日(2015/3/5)は「啓蟄」にあたるらしい。外はいかにもふさわしい陽気なので、久しぶりにコタツからもぞもぞ這い出してみた。 「啓蟄や 我も仲間なり コタツムリ」(笑) ググってみると、 「啓蟄や 獄にまだある 地下の牢 辻井喬木」 虚子の句など…

映画『トキワ荘の青春』

映画『トキワ荘の青春』 映画『トキワ荘の青春』をテレビBSでやってた。盟主手塚治虫がアパートを去った後も、慕って集まる若手漫画家たちの兄貴分として、みんなの面倒をみた寺田ヒロオを本木雅弘が演じて、主人公として描かれている。 >https://ja.wikipe…

【美女と湖水04「水と妖怪」】

今回の蒐集では、本格的な妖怪の話題は予想以上にすくなかった。その理由のひとつには、先にのべたように現代人の生活環境には妖怪が棲みづらくなっていることが考えられる。水に関連してでてきた妖怪は、水辺に棲む妖怪の代表である「河童」の話が三題、そ…

【美女と湖水03「水と霊・祟り」】

女性とは特定できない霊や怪異のたぐいをここに集めた。「水」が霊や祟り・因縁と結びつきやすい、といった共通項程度しかさしあたっては思いうかばない。個別の話にあたっていこう。 <水の特異空間> 『教会の井戸』 《 京都ハリストス正教会の話 これは小…

【美女と湖水02「水と死体」】

『死体洗いのバイト』 《 死体が浮くかどうかの専門的なお話ではないのですが、「死体洗いのバイト」と共に、「浮いてくるホルマリン漬けの死体を沈めるバイト」という話もあったことを、ふと思い出しました。》 すでに「医学伝説」でのべた「死体洗いのバイ…

【美女と湖水01「水と女」】

この項の分類で中心となる話題は、「現代カー伝説」の章でも紹介した「消えるタクシー女性客」の系列のものが典型的である。都会の道路を現代の川にたとえれば、そこを走るタクシーなどの自動車は「川を流れる水」と解釈できるだろう。そして女性客の消えさ…

【美女と湖水00「流れる水と淀む水」】

『流れる水と淀む水』 《 流れる水は,物を運ぶ働きを持っています。日本の農村は,谷間である扇状地の中腹から上の方にかけて位置しているのが普通のようです。ちょうど,山にへばりつく形で農家が展開しているものが多いように感じます。(私がすんでいる…

美女と湖水のフォークロア00-02

【美女と湖水のフォークロア00-02】 この最終章では幅ひろく「水」に関係する話題を集めた。現代の伝説を取りあげるにあたって、まず第1章「異空間伝説」を中心として現代人の生活空間に焦点をあてた。また第3章「人体と人格のメタモルフォーシス」を核と…

【奇人・変人・怪人伝04「著名人・職業柄・県民性」】

<著名人伝説> 特定の著名人が、その個性のただよわせる雰囲気と結びつけられて噂となることもよくあることだ。だれでも知っている有名人であるだけに、ちょっとした笑話として流布しやすいところがある。 『市長選挙に出る梅原猛氏』 《 京都ではここ十数…

【奇人・変人・怪人伝03「あやしげな行為」】

『入門書を読む執刀医』 《 手術台に横たえられた患者の前に、『外科手術入門』という本を持って現れる執刀医、なんてのはタチの悪いユーモアかな(^^;。》 ここでとりあげるのはさきの「変人・奇人」とは異なり、普通の人でありその行為にもいちおう納得でき…

【奇人・変人・怪人伝02「怪人」】

『怪人赤マント』 《 むかし小学生のあいだで「赤マント」伝説がありました。なんでも「赤マント」という怪人が電柱の陰などにかくれていて、こどもをさらってゆくというのです。わたしたちはその恐怖におびえました。ついこのあいだ、こんどは「口裂け女」…

【奇人・変人・怪人伝01「奇人・変人」】

奇人と変人の境界は明瞭に区分しがたい。奇人のなかには体型の異様な人々もふくまれるであろうが、これは「人体変形」の部門でふれた「異形の人々」とほとんど重複してくる。怪人のように特別な悪さをするわけでもないのであるが、その特殊な躯つきが人々に…

奇人・変人・怪人伝01-04

【奇人・変人・怪人伝01-04】 今回の噂の蒐集できわだった傾向のひとつは、伝統的な妖怪の話題がきわめて少なかったいうことである。明るく透明化された現代社会には、古風な妖怪どもは棲息しづらいのであろうか。別の面から考えれば、現代人にとって妖怪が…

【食の怪05「ビジネスと食品」】

加工食品への不安はこの章のはじめにのべたとおりであるが、その不安の一端には製造販売業者の商業主義への不信があげられるだろう。食品にかぎったことではないが、異常に売れている特定の大ブランドが話題にのぼりやすいという傾向がみてとれる。マクドナ…

【食の怪04「食事行為」】

食習慣は文化風土によってさまざまである。場所が変われば食べるものも変わるし、調理法・食事作法などもいろいろ違ってくる。特に外国ともなれば、自分たちと大幅に異なる食習慣が笑い話の素材になりやすい。すでに紹介したなかにも、犬を食べる食文化を揶…

【食の怪03「インチキ食品」】

この章のはじめの「不気味な食品」もインチキ商品の系列であろうが、ここではそのような不気味さの少ないものを取りあげる。不気味ではないだけに滑稽ばなしの傾向が強い。 『毒のないフグ?』 《 今から数年前のある朝、通天閣のすぐ下で一人のホームレスが…