2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『小野小町と小町伝説について』1/2

(S47年度前期、国文学特殊講義レポート/23歳) なぜ小野小町を取り上げるか、ということから始めようと思う。 小野小町という名を聞いて、まず私の頭に浮ぶのは絶世の美女というイメージである。何々小町と言えば美女の代名詞となっており、いつの世の男性…

’69/12/03『カライドスコオプ』

――どうか映像に 意味を求めないでください――人生の木の葉は落ちる落ちる どこまでも長い旅路をゆく キャラバンがオアシスを求めて 地底にもぐる雪の日の 熱さと同じように… ハレムの主人が笛を鳴らすと 夜が明けて南の空が自転する 星空にひび割れが始まると…

’69/11/30『工場の昼休み』

ぶくぶく肥ったミイラが 井戸に小石をほうり込むとき 工場では昼休みのサイレンが鳴りわたり 安心してミイラは床につく 忘れられた小石だけが 沈黙の闇を落ち続けてゆくのは だれもが無事に 弁当たべるため だれもが無事に 昼寝するため('69/11/30 21歳 雑…

’70/03『くるみのうた』

街に夕やみが せまるころ 山ではくるみの 実がおちる 恋人たちは 涙して 川のながれを つくりだし ぽっかり浮かんだ くるみの実 やがておまえも 海へでるの 街に夜あけが せまるころ 海ではくるみの 実がしずむ ('70/03 21歳/雑記ノートより)

『海と毒薬』遠藤周作

『海と毒薬』遠藤周作 太平洋戦争中、撃墜された爆撃機の搭乗員であった米軍捕虜が、ひそかに生体解剖の実験対象にされたという衝撃的な事件が、終戦後明らかになった。この事件を題材にしたことは間違いないが、著者はこれをセンセーショナルな題材として扱…

’70.03.10『夢をみたい人たちのためのバラッド』

あなたたちが消えていったあの山のかなたから、白々しい太陽が顔をのぞかせます。 紫色の雲にねぼけまなこをこすりつけながら顔をもたげる太陽の、間のびした姿をごらんなさい。そうです、これが夜明けの姿なのです。 夜明けと言うと希望にみちた出発を思い…