【06 昭和60年 小京都】by「THE日本/1985」

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【06 昭和60年 小京都】by「THE日本/1985」
 

 全国各地に「小京都」と呼ばれる街がたくさんある。「小京都」のWikipediaでの解説を引用する。

≪小京都(しょうきょうと)とは、古い町並みや風情が京都に似ていることから、各地に名づけられた街の愛称である。室町時代以降、各地の大名が京都を真似た町づくりをし、それが小京都の起源となった。

 小京都と呼ばれる地域が集まる団体として「全国京都会議」が存在する。全国京都会議京都市を含む26市町により、1985年(昭和60年)に結成された。1988年(昭和63年)の第4回総会で加盟基準が次のように定められた。

・京都に似た自然と景観
・京都との歴史的なつながり
・伝統的な産業と芸能があること
 以上3つの要件の1つ以上に合致しておれば常任幹事会で加盟を承認される。全国京都会議には小京都のほか、「本家」である京都市も参加し、事務局を同市観光協会内においている。

 なお、全国京都会議に加盟していなくても、観光宣伝などを目的とした自称、他称の「小京都」は多い。≫
 

 ここでは本家「京都」については触れない。Google画像検索したもの貼り付けておくが、やはり寺社仏閣などが大半を占めた。
 

 はたして小京都と呼ばれることに、その土地に住む人が好ましく思っているかどうかは分からない。ただ、そう呼ばれることで観光などでメリットがあるだろうことは、当地が積極的にPRしようとしていることからも推定できる。いずれにせよ「小」という語は、本家があってのことで、いささか低く見た呼称であることには違いない。

 他の例では、「大デュマ、小デュマ」などの親子の著名作家に付けられることがあるが、これは仏語「ペール=父、フィス=息子」で区別したものを、日本語では「大、小」と表記したものである。最近では「大ブッシュ小ブッシュ」などと歴代米大統領の父子を区別するためのものがある。ともに「ジョージ・ブッシュ」なので「シニア、ジュニア」で区別したものを、日本語では「大、小」に置き換えたものであろう。

 ついでだが、作家谷崎潤一郎が「大谷崎」と呼ばれることがある。絢爛華麗な作風や毫者贅沢な生活ぶりなどからそう呼んだのであろうが、「小谷崎」と呼ばれる作家が居るわけでもない。あえて「大、小」として区別する対象としては、弟の谷崎精二早大教授で英文学者であったが、あえて区別しなければならないほど、名声が拮抗しているとか活躍分野が大きく重なっているわけでもない。たぶんに、文壇とかの狭い業界用語に近い。

 地名として「小京都」のように呼ばれる例としては、かつて全国に散在した「〇〇銀座」などがある。これは繁華街・商業街の代表として「銀座」を持ってきて、自分たちの商店街を盛り上げようとしたのであるが、いま時にはセンスが悪いと思われるだろう。あと、自然の山河には「〇〇富士」などもあるが、これらにもその威光の恩恵に与りたい気持ちが強く反映されていると思える。
 

 大小談義はおくとして、全国の「小京都」を挙げる。当方はいずれの街をも訪れたことがないので、感想とかはご承知の方がコメントしていただければありがたい。
 

(写真は「THE日本」より)
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