【04 昭和60年 ライバル都市対決 札幌vs福岡】by「THE日本/1985」

nihon

【04 昭和60年 ライバル都市対決 札幌vs福岡】by「THE日本/1985」
 

 北海道は「蝦夷地」と呼ばれ、江戸時代には松前藩が置かれていたが、主にアイヌ人が居住する地であった。明治初めに「札幌」に開拓使が置かれ、封建的地位を解かれた士族などを中心に、「屯田兵」の制が設けられた。これは、北方の警備を担うとともに、平時は原野の開墾に従事するというものであった。

 札幌は、その北海道開拓の拠点となって発展した。現在では北海道の中核都市として190万の人口を擁し、北海道庁所在地であり政令指定都市でもある。名実ともに北海道の拠点都市として発展を続けるが、その後背地の広大な農地での農業は、海外産地との競合による価格低下の問題などを抱え、都市一極集中と過疎化の問題を抱えている。
 

 一方、福岡市は、その歴史は縄文時代にもさかのぼる。文化の進んだ大陸からの文物の流入地として、古代から文化の先行の地であった。平清盛豊臣秀吉などの支配者が、この地を大陸との交易の中心としたため、博多は大阪の堺と並ぶ商業地として栄えたが、江戸時代には鎖国によりその地位は低迷する。

 博多は港湾商業都市、福岡は城下町として別々の歴史をもつ街として発展したが、明治中期に市制を敷くにあたって「福岡市」として統合された。しかしJRの駅名としては「博多駅」とされるなど、福岡と博多の対立は長年尾を引いた。現在の福岡市は、人口150万超の政令指定都市で、そのとき区政がしかれ「博多区」という地名が復活した。福岡県県庁所在地であるとともに、九州最大の都市として発展しており、近年では、「アジアへの窓口」としての重要性も高まっている。
 

(写真は「THE日本」より)
1.「札幌雪祭り」(右)vs 「博多祇園山笠」(左)
2.コーンとバターたっぷり「札幌ラーメン」(右)vs 濃厚なコクが自慢の「博多ラーメン」(左)
3.鮭と野菜を味噌で煮込んだ「石狩鍋」(上)vs 鳥のブツ切りに野菜湯葉、元祖博多の「水炊き」(下)
4.札幌の夜は「すすきの」(上)vs 博多の夜は「中州」
5.札幌の味覚「ルイベ」vs 博多の珍味「明太子」