生活文化

【月やあらぬ・・・】

【月やあらぬ・・・】 伊勢物語には、挿入歌として次の歌がある。 「月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして」 これは在原業平に擬せられた主人公が、想い続けた高貴な身分の女性と無理やり引き離されて、居なくなってしまった侘しい心を、月…

【瀬戸内寂聴入寂と墓碑銘もろもろ】

【瀬戸内寂聴さん入寂と墓碑銘もろもろ】 瀬戸内寂聴さんの訃報が報じられた。特に思い入れがある作家ではないが、いろいろその名を耳にすることが多い人だった。合掌。 追悼記事が多くみられるが、さっそく「自身の墓碑に刻む言葉は決めていた」(読売)と…

【鯖寿司とバッテラ】

【鯖寿司とバッテラ】 京都紫野の今宮神社では、毎年5月初めから15日にかけて、「今宮祭」が行われる。紫野御霊会に起源をもち、京都を代表する機業地である西陣の祭礼として発展したもので、近世には祇園祭にも匹敵する盛大な祭りだった。 子供の頃、今宮神…

【京都の三大漬物/すぐき】

【京都の三大漬物/すぐき】 京都の三大漬物といえば、「柴漬」・「千枚漬け」・「酸茎(すぐき)」となるだろう。柴漬や千枚漬けは、いまではほぼ全国に出回っていると思われるが、「すぐき」はなかなか手に入りにくかった。すぐき蕪(かぶら)の乳酸発酵漬物な…

【餃子の王将一号店】

【餃子の王将一号店】 昭和53年に所帯を持って、旧市電壬生車庫あとの公団住宅に住んだ。四条大宮に近く、利便の良い場所だった。四条大宮には、阪急京都線の終点で、京福嵐山線の始点でもあり、かつてはターミナルであったが、阪急が河原町まで延伸するなど…

【半世紀前の京都お好み焼き店風(笑)】

【半世紀前の京都お好み焼き店風(笑)】 鉄板付きのテーブルに座るが、写真のように店の人が焼いてくれるわけではない。取っ手付きのアルミカップに、メリケン粉を固めに練った生地を入れ、その上にキャベツなどのカット野菜、その上にほんの少しの豚やイカと…

【内裏雛の左右は?】

【内裏雛の左右は?】 そろそろ女の子のいる家庭では雛飾りを並べる時期だが、ここで問題になるのが男雛と女雛を左右いずれに並べるかである。ネットなどで画像を探してみると、おおむね男雛が左、女雛が右となっている。 しかし京都など関西では、逆に向か…

【カーク・ダグラス死去 103歳】

【カーク・ダグラス死去 103歳】 >ハリウッドの伝説、カーク・ダグラスさん死去 103歳 https://www.afpbb.com/articles/-/3266958 日本の著作権が中国並みにデタラメな時代、この人もいろいろパクられたおした。ケツ割れアゴが大魔神になり、有名な「チャン…

【十円硬貨の記憶】

【十円硬貨の記憶】 人生最初の記憶は何だったのか。父親が、祖母の田舎である富山に行ってきて、駅で受けとった釣り銭を示しながら、「これが新しい10円硬貨だ」と見せていたという記憶がある。 十円銅貨は昭和26年から製造を始めたらしい。となると、わた…

【「敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本/長岡真意子著」書評】

【「敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本/長岡真意子著」書評】 https://www.amazon.co.jp/敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本-長岡-真意子/dp/4798057142 いわゆる「子育てハウツー本」という形での出版だが、中身はそれ以上のものがある。もはや…

【半ドン効果】

【半ドン効果】 『「半ドン」よ、もう一度:令和時代“温故知新”の働き方改革』とのタイトルで、次のような記事を目にした。>http://agora-web.jp/archives/2038768.html ただし、この記事にはいくつかの誤解があるようだ。半ドンのドンがオランダ語で日曜日…

【新元号は「令和」だとか】

【新元号は「令和」だとか】 本棚から「万葉集」の脚注本がでてきたので、「令和」の個所を探してみた。奥付は、昭和33年4月発行・定価400円となっている。学生時代に文学部に単位取りに行ったときに、一度も出ない講義だったがテキストとして買わされたのだ…

【紫野 今宮神社「あぶり餅」】

【紫野 今宮神社「あぶり餅」】 京都今宮神社門前では、数百年を越す二軒の「あぶり餅屋」が、向かい合わせで競っている。これまで幾度か触れたことがあるのだが、正面から取り上げたことがなかった。上賀茂神社「やき餅」を取り上げた機会に、こちらもまと…

「駅ピアノ」

「駅ピアノ」 枝豆で一杯やりながら、NHK-BSで深夜にやってる「駅ピアノ」という番組を見てる。今夜はチェコ・プラハの駅。いろんな人が、勝手にピアノを弾くのだが、その街での生活の匂いが感じられて、なかなか楽しい。 特に、旧東欧の共産圏だった街とか…

【トキワ荘の青春】

【トキワ荘の青春】 映画『トキワ荘の青春』をテレビBSでやっていた。盟主手塚治虫がアパートを去った後も、慕って集まる若手漫画家たちの兄貴分として、みんなの面倒をみた寺田ヒロオを本木雅弘が演じて、主人公として描かれている。 https://ja.wikipedia.…

”Irish Whiskey”

"Irish Whiskey" 長男のパソコンを修理してやったら、料金がわりにウィスキーを置いていった。高価なものではなさそうだが、"Irish Whiskey" とあるのでアイルランド産のものらしい。 かつて、ある人の紹介でアイルランド系の米人のPCを修理してやった。お礼…

【丑の刻参り】

【丑の刻参り】 「丑の刻参り」は、丑時詣・丑参り・丑三参りとも呼ばれ、丑の刻(午前1時〜午前3時ごろ)に神社の御神木に、憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込むという、日本に古来伝わる呪術の一種である。嫉妬に狂った女性が、白衣に扮し頭にかぶった…

【映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」をテレビで観た】

【映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」をテレビで観た】 https://ja.wikipedia.org/wiki/ALWAYS_%E4%B8%89%E4%B8%81%E7%9B%AE%E3%81%AE%E5%A4%95%E6%97%A5%2764 テレビでたまたま、映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」をやってるのを観た。この手のものを積極的に観…

【たこ焼きとキャベツのお話し】

【たこ焼きとキャベツのお話し】 たこ焼き発祥地大阪を始め、大半の関西では、たこ焼きにキャベツを入れないで、中のとろみを楽しむ。しかし、たこ焼き後進国の関東を始め、他の地域はキャベツを入れる。これは何故か? 実は、京都ではキャベツをたっぷり入…

【中秋の名月に寄す】

【中秋の名月に寄す】 「名月も スマホで撮れば こんなもん」(笑) 今夜が中秋の名月だというので、いちおう夜空を見上げて写真を撮ってみたが、これじゃいかんと思って、いくつか画像を探してみた。 「両方に ひげのあるなり 猫の恋」 小西来山 「猫の恋」は…

【上賀茂神社名物「やきもち」】

【上賀茂神社名物「やきもち」】 京都今宮神社門前では、数百年を越す老舗の「あぶり餅屋」が、向かい合わせで競っているが、葵祭で有名な上賀茂神社の門前にも、「賀茂のやきもち」として知られる二店舗がある。神社前広場で一の鳥居の真向かいにある「葵屋…

【柳原良平追悼】(1915/08/19)

【柳原良平追悼】(1915/08/19) サントリー・トリスのシンボルキャラクター、「アンクル・トリス」をつくり出した柳原良平さんが死去。また懐かしい昭和の星が一つ消えた。 昭和30年代のサントリー(当時は「寿屋」)宣伝部には、後の作家 開高健、山口瞳、…

【団塊世代は何を為したのか】

【団塊世代は何を為したのか】 1960年代から70年代初めにかけて、多くの若者文化が登場したが、それらを主導したのは必ずしも「団塊世代(1947-49生)」ではなかった。 ざっと関係者を挙げてみると、東大全共闘議長山本義隆1941年、サイケのイラストレーター…

啓蟄

【啓蟄】 今日(2015/3/5)は「啓蟄」にあたるらしい。外はいかにもふさわしい陽気なので、久しぶりにコタツからもぞもぞ這い出してみた。 「啓蟄や 我も仲間なり コタツムリ」(笑) ググってみると、 「啓蟄や 獄にまだある 地下の牢 辻井喬木」 虚子の句など…

【猫のことなど】

【猫のことなど】 (一) 子どもの頃、何代かにわたって猫を飼ってもらったが、雌猫は子どもを生むと困ると言って雄猫ばかりだった。雄猫は、数年すると帰ってこなくなる。いまと違って、猫は放し飼い、勝手に餌を食べて、昼寝して、夜になると遊びに出かけ…

善き哉、此の汁

【善き哉、此の汁】 深夜に「善哉(ぜんざい)」、正月餅の残り物始末に喰ふ(笑) 「善哉」は仏教用語のようで、本来は、仏陀が弟子の言ったことに「善きかな!」と賛同を示したときの言葉。一休禅師が、大徳寺の僧から小豆汁に餅を入れたものを饗されて、「善…

初雑煮 謹賀新年 昼すぎて

京の庶民のお雑煮はこんなもん。昆布だし白みそに、大根と金時人参煮て、丸餅いれる。 初雑煮 謹賀新年 昼すぎて 何爺

【ジョーク・ツイートetc】

【ジョーク・ツイートetc】 #ジョーク 戦時中、街中のあちこちに「贅沢は敵だ!」というスローガンが貼られていた。そのスローガンに、ひと文字「素」を書き入れたツワモノがいたらしい。「贅沢は素敵だ!」、特高が血眼になって捜索したとか。 #ジョーク 広…

餅つき

【餅つき】 京都の実家での子供時代には、毎年年末30日になると自宅の土間で「餅つき」をやった。「おくどさん(カマド)」に「せいろ」を積み上げてもち米を蒸し上げる。それを木の「うす」の上でひっくり返し、父親が「きね」でつく。きねの合間に、脇で餅…

縁切り伝説について

5-3.縁切り伝説 この節で最後に取りあげるのが「縁切り伝説」のある特異空間である。その場所で男女カップルがデートをすると縁が切れるという噂であって、特にストーリーのある伝説というよりはほとんどジンクスに近いものである。まずは有名な井の頭公園の…