啓蟄

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啓蟄

 今日(2015/3/5)は「啓蟄」にあたるらしい。外はいかにもふさわしい陽気なので、久しぶりにコタツからもぞもぞ這い出してみた。


   「啓蟄や 我も仲間なり コタツムリ」(笑)


 ググってみると、

   「啓蟄や 獄にまだある 地下の牢 辻井喬木」

 虚子の句などと並んで、まったく違和感のある句が出てきた。セゾングループの総帥として一世を風靡した提清二氏が、詩人・作家としては「辻井喬」というペンネームを使っていたから、「辻井喬木」も氏の俳号だと思われる。戦前には共産党員としても活動したので、逮捕歴は確認できないが、句の発想につながる体験はあったと想像される。句としてすぐれているわけでもないが、意外なものに出くわした感で記してみた。
 

 ほかに、この時期の季語として「猫の恋」というのもある。

   「両方に 髭があるなり 猫の恋 小西来山」

 芭蕉と同時期の上方の俳人らしいが、全く知らない人物だった。歳時記で見つけて漱石が笑い転げたという逸話で、なんとなくこの句を知っていた。かつての猫は放し飼いだったので、この季節、屋根上から、夜な夜な雄猫のナンパ鳴きが聞こえてきたもんだ(笑)

猫の恋やむとき閨の朧月  芭蕉
 

*拙句連投
見つめ合い値踏みもするぞ猫の恋
満月の夜もありにけり猫の恋
猫の恋今やひたすら家事に追われ