思想
【皇道派・統制派、そして二・二六事件】 「皇道派」は、天皇親政の下での国家改造(昭和維新)を目指し、政財界の堕落を批判する陸軍士官学校(陸士)卒の若手将校たちが中心であったが、それに対して「統制派」は陸軍大学(陸大)出身者の上級エリートが主…
『ペスト』アルベール・カミュ(新潮文庫/Kindle版) 初めて電子版で書籍を読んだ。小説も読まなくなって何年にもなるが、さらにモニター画面で読むと、かつての読書という感じとは異なる。とりあえずダウンロードして読み始めたが、どれだけボリュームがあ…
メルロ=ポンティ「身体性の現象学」追補 >http://d.hatena.ne.jp/naniuji/20180719(『知覚の現象学』メルロ=ポンティ) メルロ=ポンティの「身体性の現象学」について述べた時、その構造を「映写室における映写機と映像」に例えた。これは、現象学における…
メルロ゠ポンティ『知覚の現象学』に関わる対話 <Nobuo Sasaki>July 19, 2017 メルロ゠ポンティbotより 《身体は、必然的に「ここ」にあるのと同様、必然的に「今」実存している。それは決して「過去」となることはできない。『知覚の現象学』》 <Mori Masahiro> 近代は、肉体よりも精神や</mori></nobuo>…
【素人が考える「レトロと歴史」】 江戸時代から昭和の末までを、自分なりにダイジェストしてきた。「歴史」をひと言で表すのは難しいし、確固たる考えがある訳ではないが、それなりに思うことを記しておきたい。 少なくとも言えることは、「事実」をいくら…
「歴史は繰り返す。先ず悲劇として、次は茶番として。」カール・マルクス "History repeats itself, first as tragedy, second as farce." Karl Marx "farce"は「笑劇」のことであり、茶番とも喜劇とも訳されるが、"comedy"が主として「喜劇」と訳される。 …
【Five Jews change the way we see the world】 Five Jews change the way we see the world:Moses: "The Law is everything" Jesus: "Love is everything" Marx: "Money is everything" Freud: "Sex is everything" Einstein: "Everything is relative"(…
【丸山眞男 「空気」による支配】>>日本の政治史を見るとよくわかる。普通には残虐な支配はないが、いつたん権威信仰の雰囲気的なわくに入つて来ないとみると逆に非常に残虐になる。…徳川時代のキリシタンに対して、また現代の思想犯に対して、支配者がい…
カール・マルクス 「経哲草稿」より 《 労働者は、労働の外部ではじめて自己のもとにあると感じ、そして労働の中では自己の外にあると感ずる。彼の労働は自発的なものではなく、強いられたもの、強制労働である。したがって、労働は欲求を満足させるものでは…
メルロ・ポンティ『知覚の現象学』断章《「語る」という現象において、話し手は語るに先立って考えるのではない。話す間に考えるのですら無い。語るということが考えることなのである。》 現象学的思考の分かりやすい例である。先に「考えたこと」が有るので…
坂口安吾の断章から*坂口安吾botより 「老人というものは、口を開けば、昔はよかった、昔の芸人は芸がたしかであった、今の芸人は見られないと言う。何千年前から、老人は常にそう言うキマリのものなのだ。それは彼らが時代というものに取り残されているか…
『知覚の現象学』メルロ゠ポンティ《身体は、必然的に「ここ」にあるのと同様、必然的に「今」実存している。それは決して「過去」となることはできない》 近代観念論の「主体-客体」という構図から脱却するために、いまだ主客未分化の「志向的意識」に着目…
【西部邁が死ぬまで許せなかった「大衆社会の病理」】 www.iza.ne.jp このようなタイトルで、東大での元同僚だった舛添要一が、西部邁への追悼記事を書いている。これは西部へのレクイエムとしては、適切なものだと思える。かつて、通り魔殺人事件などが頻発…
【歴史的倒錯】 我々に見えている映像に似せて透視図法が「発見」されたのではなくて、さまざまな透視的描画技術の「発明」によって初めて、いま我々が観ていると思っているように見え出したのです。同様の歴史的倒錯は、文学や音楽にもあるわけです。我々は…
【表現主義と印象主義】 「表現主義」(Expressionism)って「印象主義」(Impressionism)への対立概念というところもあるんだな。日本語だと、そこが消えてしまう。あと、フランス文化に対するドイツ文化という要素も重ねてみると、なんとなく分かってくる…