【新元号は「令和」だとか】

【新元号は「令和」だとか】

f:id:naniuji:20190403010533j:plain

 本棚から「万葉集」の脚注本がでてきたので、「令和」の個所を探してみた。奥付は、昭和33年4月発行・定価400円となっている。学生時代に文学部に単位取りに行ったときに、一度も出ない講義だったがテキストとして買わされたのだった。よってほとんど開くこともなかったが、半世紀の間に酸性化してボロけている。

f:id:naniuji:20190403010558j:plain

 「師の老の宅にあつまるは宴会を伸ぶるなり。時に初春の"令"月にして、気潔く風"和"に、梅は鏡前に粉を披き・・・」

 ここにある「師の老(おきな)」とは万葉集の編者とされる大伴家持の父、大伴旅人のことらしく、その屋敷で梅見の宴を催した際の歌を集めたものだとのこと。で、宴の初めに旅人の爺さんが一発ぶったというわけなのだ。
f:id:naniuji:20190403010642j:plain
 はやい話が、花見にかこつけて仲間と酒飲み会をやらかしたようなもんだな。まあ、いまのオヤジどもには気のきいた歌を詠むような知性はないから、せいぜい下ネタ談義がいとこだろうが(笑)

 

 しかし「令」という文字は、いくら「よい・りっぱな」という意味があると言われても、「令名」「令嬢」などと古風な言葉は死語となっている。

 どうしても「命じる・いいつけ・きまり・おきて」といった強権を思わせる意味が思いうかび、「禁令」「訓令」「号令」などなど、うれしくない用法が多い。

 これを右傾化の流れというのもどうかなと思うが、やはりこれをきっかけに、右翼と役所以外は西暦一本になるんじゃないかなと思ったりもするのである(笑)