【映画備忘録09】

【映画備忘録09】
 

パラダイン夫人の恋』"The Paradine Case" (1947/米)
パラダイン夫人の恋 - Wikipedia

 ヒッチコック映画なのでサスペンスと思ってたら、本格的な法廷劇だった。グレゴリー・ペック、"男前"という言葉が似合う俳優が多くいた時代を代表する一人だね。
 

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フィラデルフィア』"Philadelphia" (1993/米)
フィラデルフィア (映画) - Wikipedia

 トム・ハンクスデンゼル・ワシントンが弁護士として競演。エイズ患者だと気付かれて事務所を解雇されたトムは、ライバルだったデンゼルに弁護を依頼する。ゲイとエイズへの偏見との闘い。
 

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『サンダーボルト』"Thunderbolt and Lightfoot" (1974/米)
サンダーボルト (1974年の映画) - Wikipedia

 サンダーボルトの異名をとる熟達した銀行強盗(クリント・イーストウッド)と、コソ泥をしながら放浪生活を送るライトフット(ジェフ・ブリッジス)が、変な友情でつながり強盗行脚を続ける。

 ベトナム戦争で疲弊した米国社会を背景に、犯罪に熟達した朝鮮戦争世代の中年男サンダーボルトと、ベトナム戦争世代にあたる若者ライトフットによって展開される、アメリカ西部を舞台にした一種のロードムービー

 イーストウッド自身が朝鮮戦争世代で、派兵されることはなかったが、招集され陸軍に入隊している。そして「サンダーボルト」の30年以上のちに、イーストウッド監督・主演で「グラン・トリノ」を撮っている。こちらでは、朝鮮戦争経験で心に傷を負った、年老いた頑固な退役軍人を演じた。

 

 朝鮮戦争は、米軍が5万人近くの死者を出しながら、結局は北側を押し戻しただけの勝利なき戦争だった。直前の太平洋戦争と、その後のベトナム戦争の間に挟まれて、朝鮮戦争は「忘れられた戦争」とされている。

 「忘れたくても忘れられない」ほど、アメリカに社会的なダメージをあたえたベトナム戦争では、ベトナム戦争世代がある種のイメージをもって取り上げられることが多い。それに比して、朝鮮戦争世代が特定の意味を持って語られることは極めて少ない。イーストウッドの映画を見ると、なぜか、そのような「忘れられた世代」としての存在を、あえて主張しているように思える。
 
 

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パルムの僧院』"La Chartreuse de Parme" (1948/仏)

パルムの僧院 : 作品情報 - 映画.com


 「赤と黒」は二度ほど読んだが、「パルムの僧院」は表題から抹香臭い僧院の話を連想して手をつけてなかった。しかし、僧院は最後に出てくるだけで、実はスタンダールばりのかなりの活劇ロマンス。
 


 ジェラール・フィリップは、スタンダールの作品には欠かせない二枚目役者で、「赤と黒」にも主演している。ドストエフスキーの「白痴」、ラディゲの「肉体の悪魔」、ラクロの「危険な関係」などの名作物に出演し、1950年代フランス映画界の貴公子であった。惜しくも36歳の若さで死去、フランスのジェームズ・ディーンとも呼ばれる。
 

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『バーダー・マインホフ 理想の果てに』"Der Baader Meinhof Komplex" (2008/独)
バーダー・マインホフ 理想の果てに - Wikipedia

 ドイツ赤軍派(通称:バーダー・マインホフ)の結成からウルリケ・マインホフとアンドレアス・バーダーの死までを描いた作品。

 日本でも過激な左翼闘争が吹き荒れた時代だが、どうしても同時代人として、この手の事件への感想は重たくなってしまう。ウーリ・エーデル監督の目線は、一定の距離を置きながら、内面の矛盾を抱えこんで独房で縊れた元女性ジャーナリストのウルリケ・マインホフに寄り添っているようだ。
 

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『ミルク』"Milk" (2008/米)
ミルク (映画) - Wikipedia

 70年代、ゲイの公民権運動をリードし凶弾に斃れたハーヴィ・ミルクをショーン・ペンが演じる。ゲイの世界がスマートに描かれていてよかった。
 

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