【映画備忘録04】

【映画備忘録04】
 

麦秋』(1951/日) 小津安二郎
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%A6%E7%A7%8B_(1951%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)

 名前だけはよく聞いていたが、小津安二郎の映画は初めて観た。伝説の女優、原節子も、じつは初めて。昭和日本の普通の家庭の普通の日常が描かれている。サザエさんの家庭と重ねあわせてみるのも一考の価値ありってとこかな。
 

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『天国と地獄』(1963/日) 黒澤明
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9B%BD%E3%81%A8%E5%9C%B0%E7%8D%84_(%E6%98%A0%E7%94%BB)


 黒澤明が純粋推理ドラマとして挑んだ作品。例のヒューマニズムが控えめな分、黒澤らしさもうすい気がする。それを評価するかしないかは、観る人次第かな。
 

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沈まぬ太陽』(2009/日) 若松節朗監督 山崎豊子原作
沈まぬ太陽 : 作品情報 - 映画.com

 ナショナルフラッグキャリアとしての日本航空をモデルに、経営幹部の暗躍と大物政治家や官僚たちがからんで繰り広げられる内幕を描いた。それに史上最悪のジャンボ機墜落事故がからんで、葛藤が繰り広げられる。

 ジャンボ機事故と原発事故、当時の日航と今の東電、その影響度こそちがえど、なにか重なって見えてきてしょうがなかった。このような形で、原発事故や東電の内幕が表にさらされるには、少なくとも十年以上先になるだろうと思われる。
 

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太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−』(2011/日)
太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男- - Wikipedia

 玉砕したサイパン島で、終戦後も山中に籠って戦い続けた日本兵士たちの物語。日本映画だと、やはり戦争もウェットになるね。戦争映画で泣かせたら、あかんやろw

 ・・・と言いつつも、映画としてはマルなんだけど、『ラスト・サムライ』と同じく、アメリカ人からみた滅びの美学みたいなとこが共通してますね。
 

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ノルウェイの森』(2010/日)
ノルウェイの森 (映画) - Wikipedia

 村上春樹と同年生まれなので、同時代に生きた者として観たのだが、いささか辛気くさいと思った。映画が辛気くさいわけではなくて、青春そのものの持つ冗長さ。数十年ぶりに、そういうことを思い浮かべた。ちなみに原作は読んでいません。

 そっけなく書いたので付言すると、「あらかじめ失われた物語としての青春」という主題が埋め込まれていると思われる。これは青春とか恋愛の構造自体であって、恢復されたり慰撫されたりはできない、ひたすら反復されるしかない。映画全編にただよう喪失感は、その構造から来ている。
 

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