【映画備忘録05】

【映画備忘録05】
 

『レディ・エージェント』"Les femmes de l'ombre" (2008/仏)
http://mash1966.hatenadiary.com/entry/20090807/p1

 Dデイ決行前夜、作戦の秘密を守るために、独占領下の仏本土に極秘ミッションで派遣される5人の女性エージェント。 女スパイ物というとキワモノのようだが、史実をなぞって、それなりにリアルなスパイサスペンス。

 

*歴史トリビア

 亡命政府・自由フランスを率いフランス再建の英雄となったシャルル・ド・ゴール、その生涯で遭遇した暗殺未遂事件は31件にのぼるとか。映画『レディ・エージェント』の背景を調べていて知った。

 そのドゴール、ドイツに侵攻されるとともにさっさと英国に亡命し、英米軍の後押しでやっとこさフランス奪回。戦後は、独自核開発など、傲岸不遜な独裁的政権運営をした人物といったイメージを持っていたが、ちょいと調べてみて、見直した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB

 
 良くも悪くも我が道を行くという人物なので、チャーチルみたいな面白い語録が残ってるかと思ったが、意外に平凡なドゴール語録。>http://meigennooukoku.net/blog-entry-826.html


ちなみにチャーチル語録はこちら。>http://meigennooukoku.net/blog-entry-739.html
 
 チャーチルによるドゴール評 >「将軍は自分をジャンヌ・ダルクか、あるいはナポレオンかと思っている。だが誰も彼を火炙りにすることも、島流しにすることもできない」(フランクリン・ルーズヴェルトシャルル・ド・ゴールの排除を持ちかけられたとき)
 

                  • -

『夜よ、こんにちは』 "Buongiorno,Notte/Good Morning, Night" (2003/伊)
https://movie.walkerplus.com/mv35609/

 極左テロ組織「赤い旅団」によるモロ元首相誘拐殺害事件。実行メンバー唯一の女性の視線で、犯行を内側から描いた。しかしこの70年代のイタリアはすごい状況だったようだ。

 やたら要人暗殺事件が頻発するのだが、それに関わる組織団体の多様さには眩暈がしてくる。極左テロ組織のみならず、マフィア、フリーメイソン、現役首相等政界要人、実業界、さらにはバチカン法王庁までもが、複雑な地下茎のようにからまりあっていて、もうワケわからない。もちろんCIAやKGBも陰で暗躍。

 さらに半年もたたない時期に、ヨハネ・パウロ1世急死事件が起こる。就任一カ月での急死で、暗殺の疑いも強く残っている。モロ元首相の解放交渉を拒否したのが、当時のジュリオ・アンドレオッティ首相で、マフィアとの関係が指的され、法王暗殺にも関わったと噂された。この事件にも上記各組織が深く関わっているとされる。
 


 この法王急死事件を背景にして、『ゴッドファーザーⅢ』が製作された。日本人には縁遠い事件と思われたのか、前二作ほど話題にならなかったが、きわめて興味深いテーマだった。『夜よ、こんにちは』と重ねて観ると、イタリアの複雑な現在が見えてくると思われる。
 

                  • -

ヴィクトリア女王 世紀の愛』 "The Young Victoria" (2009/英)
ヴィクトリア女王 世紀の愛 - Wikipedia

 ヴィクトリア女王といえば60年も君臨した威厳高き女王のイメージしかなかったが、これはベルギーの貴公子アルバートとのラブラブ物語。日本の皇室では無理だろうな。
 

                  • -

『バンド・オブ・ブラザース ep.1-10』"Band of Brothers" (2001/米) スティーヴン・スピルバーグ/トム・ハンクス製作
バンド・オブ・ブラザース - Wikipedia

 第二次世界大戦における米国陸軍第101空挺師団の活動を描いたテレビドラマシリーズ。ノルマンジー上陸からドイツ陥落までのヨーロッパ西部戦線が舞台。
 
 『バンド・オブ・ブラザース』は、姉妹シリーズ『ザ・パシフィック』も一緒に観る事をお奨め。後者は日本軍相手の南太平洋諸島での戦線が舞台。
ザ・パシフィック - Wikipedia

 

 『バンド・オブ・ブラザース』『ザ・パシフィック』に共通するのは、スピルバーグとトム・ハンクスが総監督に名を連ね、戦闘そのものよりも、最前線に送りこまれた無名の兵士たちの視線と心情から、戦争を描き出しているところか。
 

                  • -

食べて、祈って、恋をして』"Eat Pray Love" (2010/米)
https://eiga.com/movie/55272/

 これが最近の日本人だと「くうねるあそぶ」になるが、ひと昔まえだと「働く食う寝る」(笑)

 何不自由ない生活と夫を振り捨てて、悲壮な想いで自分探しの旅に出るジュリア。だけどそれが、韓流スターの追っかけにかまけるお気楽オバサンと重なって見えるのは何故でなのか?(笑)
 

                  • -

『上海の伯爵夫人』"The White Countess" (2005/英米)
上海の伯爵夫人 - Wikipedia

 事故で盲人となった元米国上級外交官、没落ロシア貴族の伯爵未亡人、青年実業家風の謎の日本高級工作員、日本軍の侵略が迫る上海租界での大人の純愛とくれば泣いてもいいぞw
 

                  • -