’69/11/30『工場の昼休み』

ぶくぶく肥ったミイラが
井戸に小石をほうり込むとき
工場では昼休みのサイレンが鳴りわたり
安心してミイラは床につく
忘れられた小石だけが
沈黙の闇を落ち続けてゆくのは
だれもが無事に 弁当たべるため
だれもが無事に 昼寝するため

('69/11/30 21歳 雑記ノートより)