【21th Century / 2017(h29)年】

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《この年の流行は quote NHK平成30年の歩み》

インスタ映え 忖度 Jアラート 将棋界に注目集まる フェイクニュース ○○ファースト 

 

トランプ大統領就任

*2017.1.20/ 米大統領トランプ大統領就任(共和党

*2017.1.23/ 米がTPP離脱へ トランプ大統領令署名

*2017.6.2/ 温暖化対策と取り組むパリ協定から、米は脱退方針発表

 

 ドナルド・トランプ大統領就任式は、2017年1月20日ワシントンD.C.アメリカ合衆国議会議事堂の西側正面で行われた。トランプ大統領就任演説で、「本日からは、ひたすらアメリカ第一、アメリカ第一である」"From this day forward, it's going to be only America First, America First.” と繰り返し、アメリカ第一主義を高らかに宣言した。

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 「我々はアメリカを再び強くする。我々はアメリカを再び豊かにする。我々はアメリカを再び誇り高くする。我々はアメリカを再び安全にする。そして共に、我々はアメリカを再び偉大にする。」トランプの支持層の多いアメリカ中西部を意識した、まさに西部劇の世界を思い出させるような「強いアメリカ」を強調した。

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 トランプは就任早々から、 「環太平洋パートナーシップ(TPP)」からの離脱、「オバマケア」(医療保険改革)の見直し、キューバ政策の見直し、イランとの核合意の破棄、地球温暖化対策の「パリ協定」離脱など、前任オバマの政策を全否定するような施策を繰り出した。これらの多くは、選挙前の公約として示しており、公約を実行する大統領と印象付けたい政策といえる。

 

  これらを含めて、トランプはきわめて政治的メッセージ性の強い政策を打ち出す。ラストベルト(Rust Belt;錆びた地帯)と呼ばれる中西部地域と大西洋岸中部地域の一部に渡る、脱工業化が進んでいる地帯には、トランプ大統領のコアな支持層である白人の製造業労働者が居住し、かつて自動車産業を主に隆盛を極めた製造業の雇用が減少し、地域経済が疲弊している。

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 トランプは、それらの地域に、半強制的に工場を復帰させようとする政策を打ち出すが、たしかに反失業状態に置かれたプア・ホワイトらにとって、失業から解放され仕事を取り戻せるので、分かりやすい経済的なメリットを訴えられる。しかし国全体の経済合理性から考えれば、流出した製造業は、他の地域や海外のより低いコストを求めた結果であり、そこに無理やり工場を戻すのは、競争力を失うことにつながる。

 

 さらにトランプは、ほぼまとまっていたTPP(環太平洋パートナーシップ)からの離脱に署名したが、これもトランプが言うようなアメリカの経済的損失と言うよりも、アメリカをリーダーとして、環太平洋地域の経済的結び付きを強め、より広範な経済的利害を共有しようというもので、アメリカ経済にとっても大きな利益をもたらすものである。

 

 また、トランプは中国の不正な経済展開に対して、大幅な制裁関税を課するなど、中国に敵対的な経済政策を取るが、当然中国もこれに対する制裁関税で応じてくるわけで、米中相互にとって貿易縮小という大きなデメリットを背負うことになる。とりわけ米側で被害を被るのは、トランプ支持層の多い中西部の農業主たちである。

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 これらトランプの「非経済合理的な経済政策」にもかかわらず、なぜかトランプ政権になってからのアメリカ経済は、極めて良好な景況をしめして来た。しかし4年目の大統領選挙の年をむかえて、新型コロナウィルスの感染症が世界をおおって、アメリカを始めとする世界の経済は大きな打撃を受けた。しかも、大統領選を直前にしてトランプ自身が感染するという始末で、大統領選挙の行方は分からなくなってしまった。

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 とはいえ、習近平の中国が、その経済力を盾にして、世界的なプレゼンスを強める中で、その中国を叩けるのはトランプのアメリカしかないという状況においては、トランプのパーフォーマンスはきわめて重要とされるようになった。それも含めて、2020年11月の大統領選挙は、世界の将来を占うものになると言っても過言ではないだろう。

 

金正男殺害

*2017.2.13/ キム・ジョンナム氏が殺害される

 

 2017年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で、北朝鮮の第2代最高指導者金正日の長男金正男が暗殺された。金正男は当時、中国のマカオに滞在して活動しており、この時はマカオ行きのエアアジア便(午前10時50分発)に搭乗するため、クアラルンプール国際空港にやって来たところだった。

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 13日午前9時00分頃、自動チェックイン機の前に立っていた金正男は、突然2人の女性から襲撃され、猛毒の神経剤「VX」を顔に塗られたとされる。金正男は攻撃を受けた後、空港の受付スタッフに状況を説明し、その後、自ら歩いてメディカル・クリニックに向かい、治療を受けた。金正男はクリニックに入って間も無く、痙攣を起こして意識を失い、その後救急車で専門病院に運ばれる途中で、心肺停止となり死亡が確認された。

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 2017年2月15日、マレーシア警察は実行犯として、ベトナム人の28歳女性を逮捕し、翌日にはインドネシア人の25歳女性が逮捕された。2人の供述によると、他の4人の男と共に旅行中で、「いたずら」の撮影だとして、金正男とは知らされず、4人の男たちから液体をかけるように指示されたという。2月19日、マレーシア警察は暗殺事件の容疑者として、4人の北朝鮮人男性を指名手配したが、彼らはすでに北朝鮮平壌に帰還したもようであった。

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 ベトナム国籍とインドネシア国籍の2人の女性は殺人罪で起訴されたが、弁護団によると、2人は北朝鮮工作員にだまされて、テレビ番組の企画のいたずらだと思い込まされて実行に及んだと主張し、その後のマレーシアでの裁判で、2人は殺人罪には処せられず、後日帰国した。

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  北朝鮮当局は事件への関与を一切否定しているが、マレーシア当局は事件当日にマレーシアを出国した北朝鮮国籍の男4人が事件に関与したと反論し、北朝鮮側の工作員による組織的な犯行であり、金正男は異母弟の金正恩の指示により暗殺されたと信じられている。

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 「金正男」は金正日の長男であり、後継者候補であるとされてきたが、金正男は略奪愛である成蕙琳が産んだ子であり、金日成にはその存在自体も秘されていたため、後継に選ばれることはなかった。一方、後継者となった「金正恩」は、在日朝鮮人二世の高容姫の子であるため正統性は無いが、金正日が最も寵愛した愛人の子として、生前の金正日が後継者に選んだ。

 

 金正男マカオなど北朝鮮の外に拠点を置いて、政治にも後継にも興味はないと語り、父正日が正恩を寵愛しているから、その決断に従うとの意思を示していた。それでも正恩による暗殺を恐れ、北には帰らず中国政府に身辺擁護を依頼するぐらいで、金正恩が後継に就任してからも、絶対恭順の意思を通知していた。

 

 そうはいえ長男の金正男の存在は、金正恩にとって潜在的脅威であるし、海外を自由に行き来し、自由主義国にも理解を示す正男は目の上の瘤のような存在だっただろう。さらには、正日の義弟でナンバーツーと言われた張成沢が、正男を担ごうとしたという噂もあり、それが張成沢を粛正した理由だとも言われる。また、この後継者問題が正男の暗殺につながったという見方もある。

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 事件の現場となったマレーシアは、北朝鮮と国交を維持し、北朝鮮人のビザなし渡航を許可している友好国だった。その分、北の工作員も簡単に出入りできたわけで、正男にとっては身の危険を注意しなければならない国でもあった。事件後、マレーシア当局は、ビザなし渡航制度の廃止や、駐マレーシア北朝鮮大使をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)指定し、平壌のマレーシア大使館を閉鎖するといった対抗措置をとった。

 

◎あおり運転

*2017.6.5/ あおり運転きっかけに事故 家族4人死傷

 

 2017(平29)年6月5日に神奈川県足柄の東名高速道路下り線で、追い越し車線に乗用車が2台続いて停車していた所に、後部からトラックが追突して男女2人が死亡し、後述の加害者含め4人が重軽傷を負った事故が発生した。

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 事故前、犯人は中井パーキングエリア(PA)で、被害者男性(45)から注意されて逆上、被害者男性の妻(39)が運転するワンボックスカーの通行を妨害する目的で、その車の前に割り込んで危険な妨害行為を繰り返した。そして21時34分ごろ、前方を塞ぐ形で被害者のワゴン車を追越車線に停車させた。

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 そして、被害者男性につかみかかり暴行を加えたあと、自身の車に同乗していた交際中の女性から諫められて、ワゴン車を離れたところに、後続の大型トレーラーが突っ込み大事故となった。事故により被害者夫婦が死亡し、夫婦の娘2人を負傷させ、自身も重傷を負った。

 

 加害者のあまりにも無謀な「あおり運転」により、悲惨な死傷事故が誘発されたが、運転は停止中の事故なので「危険運転致死傷罪」の適用可否が争われた。横浜地裁での第一審では、危険運転致死傷罪が認められ懲役18年とされたが、控訴審では、横浜地裁での手続きに不備があったとして、一旦横浜地裁に差し戻しされ、審理中となっている。

 

 さらに、翌2018(平30)年7月2日夜には、大阪府堺市南区の路上でバイクを運転する大学生の男性に、自分の運転する車の前に割り込まれたと腹を立て、執拗にクラクションを鳴らし、ライトをハイビームにするなどして煽ったうえで、車を急激に加速させてバイクに追突し、大学生を跳ね飛ばして死亡させるという事故が発生した。

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 加害者の車のドライブレコーダーには、全ての行為が記録されており、死亡した瞬間「はい、終わり~」という音声が入っていた。一連の行為は明確な殺意を持ったものだとして、「殺人罪」で起訴され、一審および控訴審では殺人罪が認められ、懲役16年の判決が下されている。

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 2019(令1)年8月10日、茨城県守谷市常磐高速道路で、勤務先に向け走っていた24歳の男性が、白いBMWにあおり運転をされたうえで行く手を阻まれ、無理やり停車させられると、降りて来た男が「殺すぞ」などと言って、男性の顔を複数回殴ってきた。

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 男が被害者男性を殴り鼻血を出させる様子などが映っており、さらに同乗していた女が、正面から被害者男性の車を携帯で撮影するシーンまでもが、ドライブレコーダーの動画でネットで拡散され、大きな話題となった。

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 さらにその数日後に犯人男性が逮捕されるシーンも、TVやネットで放映され、男の特異な性格や、同乗女との関係などが、大きな関心を呼んだ。裁判では、男はすべての罪状を認め、強要と傷害の罪で懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡された。

 

  これらの無謀な「あおり運転」が報道されると、大きな社会問題となり、定義が曖昧だった「あおり運転」に関しての法律の見直しがなされ、道路交通法の改正で「妨害運転罪(あおり運転の厳罰化)」が、1920(令2)6月30日から施行されることになった。また、その証拠となるドライブレコーダーが、急速に普及することになった。

 

(この年の出来事)

*2017.4.14/ 千葉 小3女児殺害事件 保護者会会長を務めていた男を逮捕

*2017.9.3/ 秋篠宮ご夫妻の長女 眞子さまと小室圭さん 婚約内定

*2017.10.3/ 「立憲民主党」結成(枝野幸男代表)

*2017.10.22/ 第48回衆院選 自民圧勝 与党で3分の2超確保

*2017.10.31/ 神奈川 座間のアパートに切断9遺体 男を逮捕