【4ヶ月、3週と2日】"4 Months, 3 Weeks and 2 Days”(2007/ルーマニア)
【4ヶ月、3週と2日】"4 Months, 3 Weeks and 2 Days”(2007/ルーマニア)
背景は、チャウシェスク独裁政権末期の無惨なルーマニア。ルームメイトの違法中絶の手助けをする羽目になった女子大学生の一日を淡々と描く。当時の社会で生きることの恐怖、不安、陰鬱が画面ににじみ出てくる。
チャウシェスク独裁下では、無謀な人口増政策をすすめ、人工中絶も離婚も禁止した。そのせいで、親に棄てられた孤児が街にあふれ、強制収容された孤児院では、栄養失調対策に不衛生な輸血をして栄養を補給した。そして、幼児にエイズが蔓延したというひどい時代だった。
(ルーマニア革命 (1989年)によって逮捕されたチャウシェスク夫妻は、即時に銃殺され、そのシーンはテレビで公開された。一説によると、ソ連によって一発の原爆を与えられており、爆発指令を出さないように、即時に銃殺し、国民に認知させる必要があったという説もある)