【ジョージ秋山追悼】

ジョージ秋山追悼】

 

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 ジョージ秋山といえば「浮浪雲」で有名だが、漫画家としての彼の変身を3段階みてきた。60年代後半に少年マガジンなどで「ほらふきドンドン」「デロリンマン」といったギャグ漫画を連載し、注目していた。

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 当時は大学生などが平気で少年漫画を読みだすハシリだった。そこでは、手塚などの従来の少年漫画に対して、赤塚不二夫永井豪谷岡ヤスジなど、過激なギャグマンガが登場し、当時のPTAなどの顔をしかめさせた。


 しかし若者の反体制運動が盛んなのと並行して、かれらの過激さは学生たちからも歓迎された。ジョージ秋山もそのうちの一人だった。
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 「デロリンマン」などはズッコケるギャグとしての悪だったが、その後、ジョージ秋山は「銭ゲバ」や「アシュラ」など、純然たる悪を世に問う路線を取り出した。ただしわたし自身は、あまりにも意図的に構成された悪だと思った。

 そのあまりにも極端な悪が世間から糾弾され、有害図書指定されるなどして逆風が吹くと、ジョージ秋山は「告白」を連載し、虚実ないまぜた上で、すべての連載を終了させて引退宣言する。

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 数か月後に復帰すると、すっかり作風を変えて、やがて「浮浪雲」にたどり着く。このような彼の「変節」を知るわたしとしては、素朴に「浮浪雲」を彼の代表作として済ませられない気がする。

 このあたりは、彼の漫画家としての出発点まで戻って検証する必要があると思われる。

>「浮浪雲」「銭ゲバ」のジョージ秋山氏死去https://news.yahoo.co.jp/articles/05f304cce802e5945807fbfef4f020956a4c51b2