【映画備忘録17】

【映画備忘録17】
 

ドンファン』"Don Juan Demarco"  (1995/米)
ドンファン (1995年の映画) - Wikipedia

 

 興行成績が芳しくなかったのは、漁色家ドンファンの名に女性客が引いたからか。むしろ女性向きの上質なラブコメで、ジョニー・ディップは当然、マーロン・ブランドフェイ・ダナウェイが老夫婦役で好演。

 実在のドン・ファンの話ではなく、現在のニューヨークを舞台に、自分が伝説の人物ドン・ファンであると思い込んでいる若者を、歳をとり気力を失っている精神科医ジャックは人格障害と診断するが、カウンセリングを通して彼が語る突拍子もない話しに興をひかれ、逆に気力を取り戻してゆく。
 

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麦の穂をゆらす風』"The Wind That Shakes the Barley" (2006/アイルランド・イギリス合作)
麦の穂をゆらす風 - Wikipedia

 

 アイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦を背景に、英愛条約をめぐって、互いに対立することになる兄弟を描いた戦争映画。

 こういう映画を、韓国と日本の合作で作れるのだろうか、とか考えてしまった。アイルランドの歴史も知っておきたいものだ。
 

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シシリアン】"The Sicilian" (1987/アメリカ)
シシリアン (1987年の映画) - Wikipedia

 

ゴッドファーザー』と同じマリオ・プーヅォ原作だが、ゴッドファーザーでのファミリー間の葛藤とかがない分、一人の若者の義賊的英雄物語とその死という、いささか平板な話になっている。1969年制作のフランス映画『シシリアン』とは無関係。
 

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グッド・シェパード』”The Good Shepherd” (2006/米)
グッド・シェパード - Wikipedia

 

  "I am the good shepherd:the good shepherd layeth down his life for the sheep”
 「私は良き羊飼なり。良き羊飼は羊の為に己れの命を捨つるなり」(ヨハネによる福音書第10章)
 

 キューバ共産主義革命に対して、米のCIAなどが関与して反攻を企てたピッグス湾事件が舞台。亡命キューバ人の部隊がカストロ政権の転覆をもくろんで上陸。しかし、これを支援するアメリカ中央情報局(CIA)内部の情報漏れによって作戦は失敗してしまう。

 ロバート・デ・ニーロ監督による2006年のアメリカ映画で、デ・ニーロ自身も出演している。マット・デイモンアンジェリーナ・ジョリーが共演。
 

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髪結いの亭主』”Le Mari de la coiffeuse” (1990/仏)
https://filmarks.com/movies/20278/spoiler


 
https://www.youtube.com/watch?v=gUDBts3Gbt4
 一種の恋愛映画なんだろうが、何とも不思議な作品だった。覗き見癖のあるオタク風主人公アントワーヌも変だが、彼が見染て妻になる髪結い(理容師)マチルド(アンナ・ガリエナ)も謎だらけ。その過去も内面もほとんど描かれないで、幸せな夫婦生活を10年間も送りながら、唐突に増水した川に飛び込んで自殺するし、その理由も描かれない。それでも何故か、深い印象を残す映画だった。
 

 「髪結いの亭主」という言葉は、「妻の収入で楽な暮らしをする亭主」を指す日本固有の言い回しかと思ったが、フランスでも同じニュアンスで使われるのだろうか。しかも映画ではあきらかに、マチルドは男性客中心の「理容師」なので、厳密にいえば「床屋」なのだが、原題の ”la coiffeuse” を自動翻訳してみると「美容師」と出る。

 そもそも江戸時代には、「髪結い」と「床屋」があったが、必ずしも今の美容師・理容師とぴったり重なるものではないし、フランスでも理容師と美容師の区別はあるのだろうか。
 

 いずれにせよ、亭主の変態オタク風アントワーヌが主人公だから『髪結いの亭主』というタイトルになったのだろうが、ラストで謎の自殺をしてしまう妻のマチルドのシーンが劇的である分、マチルド中心の映画だともとらえられる。そんなわけで、「髪結い亭主」とのタイトルには、いささか違和感を感じる。
 

 そして、他人からはうかがい知れない夫婦の間柄は、なぜか、子供のころ近所に住んでいた「ひょうたん屋」の老夫婦のイメージが重なるのであった(笑)
http://d.hatena.ne.jp/naniuji/20150904
 

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ある公爵夫人の生涯』"The Duchess" (2008/英)
ある公爵夫人の生涯 - Wikipedia

 

 ダイアナ妃をネタ元にしたのはいいんだけど、どうせやるならもっと徹底的にやった方が良いかも。デヴォンシャーの位置とキーラ・ナイトレイという女優を知ったのは儲けかな。
 

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ヒトラーの贋札』"Die Fälscher" (2006年/独・墺)
ヒトラーの贋札 - Wikipedia

 

 重いテーマに引きずられがちになる素材だけど、サスペンス仕立てのエンタメという線を維持したところがエライ。しんどいけど楽しめます。
 

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『ファニー・ヒル 〜禁断の扉〜』”Fanny Hill” (2007/英) 
ファニー・ヒル 禁断の扉 - [SAMPLE]ビデオながら見日記

 

 18世紀に書かれた古典的ポルノなのに、今頃になって、あのお固いBBCによる映画化という変なのw

 「そして私は美徳の中にも悦びがあることを学んだ」by Fanny Hill
 

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