「桜の樹の下には屍体がある」

桜の樹の下には屍体がある」と言ったのは梶井基次郎。たしかに、半透明な薄いピンクの花びらが頭の上を覆っている様子は、なにかしら不吉な予感さえもよおすところがある。

 今年も出先でちょい見して終わりだ。毎年、かすかに素通りしてゆく、そういう付き合い方がのぞましいと思える今日このごろである。