マインドフルネスについての応答11

2014/12/03『子育てに大切な「3つの力」、「ユア子育てスタジオ」の活動』
http://kosodatekyua.com/2014/12/yuakosodatestudionokatsudo-kosodatenitaisetsunamittsunochikara/

>>Sasaki,Nobuo
December 13, 2014
 全体構想のようなものを始めて拝見して、これはすごいことと取り組んでるんだなと感心しました。

 樹木で例示された「3つの力」、子育て・育児に関して、これだけしかと分節して構想されたものを寡聞にして知りません。「安心力」については、これまで部分的にコメントなどさせてもらいましたが、その他の2つに関しては、きわめて苦手な分野で自身でなんら成功体験も持ち合わせていません(笑) そんなわけで正面からのコメントはできませんが、いささか齧った経営学の体系にそって考えてみます。

 いわゆるマネジメント学の方面からですが、まず土台となる「安心力」。組織体(ここでは営利企業を前提します)を支える3要素は、一般に「資本・労働・土地」と言われます。資本、資金関係は一般に「財務管理」として経理・簿記など計数化されて管理されます。勞働に緘しては「労務・人事管理」としてマネジメントされます。土地は主として農業生産世界をベースに想定されているので、今の企業体にとっては「組織管理・システム管理」といったものが、それに相当するものとして考えられます。

 同様に「成長力」に照らすと、投資管理、研究開発管理、イノベーション管理といったものでしょうか。そして事業体にとっての「交流力」となると、市場開発、マーケティング、顧客管理、仕入れ先管理とさまざまなものがあるでしょう。

 とはいえ、ここで経営学を展開したいわけではありませんw ただ、家庭生活や育児・子育てもまたある種のマネジメントであり、企業マネジメントにてらして考えてみるのも有効ではないかと考えてみました。たとえば財務管理にあたるのは家計であり、育児・教育費などもそこから捻出されるでしょう。勞働・人事は、まさに親と子の共同作業であり、組織・システムに相当するものは、家庭環境であり周辺の教育環境であったりしますね。

 そして、かつての事業経営者がこれらのことを明確に分離してきたわけではなく、まさに経験と勘だけでなんとかやってきたわけです。子育てに関しても同様に、それこそ手探りでやるしかない状態ではなかったでしょうか。そして参考になるのも、個人体験を拡張しただけのハウツー的育児書であったり、他分野の医学や心理学や教育学から、片手間に部分的に援用されたものぐらいではなかったでしょうか。

 そんな中で、子育てを単なる自分の経験談としてだけでなく、「3つの力」に分節して、伝達可能な知恵として構成しようとされてる姿にエールを送りたいです。それはまさに「子育て学」と呼べるものになるでしょう。それは医学・教育学・心理学などの寄せ集めではなくて、「子育て」というメインフィールドの上に構築されたものとなるでしょう。そういう意味で、フィールドワークとして捉えられてるのも大正解だと思います。
 

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>>長岡真意子
December 14, 2014
佐々木さん、読んで下さりありがとうございます! そんな素晴らしい感想をいただき、とても嬉しいです。これからも体験とリサーチを合わせ、こつこつと続けていく「ライフミッション」だと思っています。子供達が大きくなり、もし将来子育てすることになった時に、参考&発展させていってくれたらなあ、などと夢も見たり。(笑)

「安心力」については、佐々木さんのこれまでのコメントによって、随分と整理することができました。本当にありがたいです。今回、他の面についても、佐々木さんが長い間培われた知恵や知識をこうしてシェアしてくださり、感謝です。

経営やマネージメント学については、私自身これまで生きてきた中で、最も接点のない分野と胸を張って言えてしまう程、ちんぷんかんぷんではありますが、確かにおっしゃる通り、家庭をやりくりしていくことと、マネージメント学とは共通するものがありますね。

根となり土台となる「資本・労働・土地」、幹となり会社を発展させていく「投資管理、研究開発管理、イノベーション管理」、葉となり顧客や市場やコミュニティーと関わる「市場開発、マーケティング、顧客管理、仕入れ先管理」。

子育てや家庭でも、「安心力」というソフト面も大切ですが、確かにハード面として「資本」という土台が必要となりますね。夫と私、学生結婚ということもあり、この面かなりマイナスでスタートしたのですが、互いにもっと学び実践していく必要があるなとしみじみ話し合っている課題でもあります。

事業経営者の多くが、かつてはそれまで蓄積された知識や知恵の体系に触れる機会もなく、いきなり実践の場で、体験を積み重ね直感を磨き、感覚や知恵や知識を身につけていった。

子育てについても、本当にそう思うんです。子育ての場合は、一昔前は、大家族で暮らしコミュニティーも密で、おじいちゃんおばあちゃん親戚近所のおばちゃんたちから、体験に基づいた情報をまだ身近に得ることができた。それも今は、核家族が進み、どこもかしこも都市化して、隣に誰が住んでいるかも分からない状況。出産するまで赤ちゃんに触れたことがなかった、小さな子と接したことがなかったといったことが普通の状態です。

何の知識も体験もないところから、「いきなり実践の場」で泳ぎながら感覚を掴むには、「子育て」という場はあまりにもリスクが大きすぎやしないか。これからの世界を創る一人一人が育つ、かけがえのない一瞬一瞬が詰め込まれているのですから。私自身、「いきなり実践」でもみくちゃにされながらここまで来て、振り返り、感じることです。

もっと、子育ての実践に入る前、そして子育て中も子供達を遊ばせるなどしながら、体系的に「これは大切」といった子育てのポイントを学ぶような機会があったら、それは机上の知識だけでなく、実践練習もできる機会、そんなことをよく思います。

といって「子育てに正解なし」というのもまったくその通りで。個性がヒトの数だけあるように、子育てのあり方も千差万別であっていいのだと思います。と同時に、その元に、これは最低限に共通して大切というようなある意味普遍的といえるものもあると思うんですね。その普遍的な土台と、多様な枝葉と、体系的におさえていける「子育て学」のようなもの、あるといいなと思います。

佐々木さん、いつもありがとうございます。一つ一つの言葉に、気づかされます。こつこつ、歩いていきますね。ひとまず、今は熱の子の世話です。(笑)どうぞゆったりと週末をお楽しみください!