絵本など

【絵本など】
 

 せなけいこねないこだれだ」、かこさとし「はははのはなし」、ブルーナミッフィー」、北杜夫 作 和田誠 絵「ぼくのおじさん
 

 独身時代はずっと実家に同居していた。すでに兄の所帯になっており小さい甥も二人いて、なんとなく居候しているような気分だった。甥の誕生日とかになると、何かプレゼントしなくてはと思うのだが、そんな金もない。そういうときに、安くて楽しい子供絵本とかを買うことにしていた。

 書店で絵本を眺めるのは好きだった。甥へのプレゼントとなると、店頭で大の大人が子供絵本を眺めている言い訳もなりたつ。そうやって自分が選んだなつかしい絵本の絵は、いまでもしっかり憶えている。
 

 少し高学年になると、少年向け物語とかになった。読み親しんでいた北杜夫の少年向け小説を見つけて、躊躇なくそれを買い与えた。タイトルは、そのまんま「ぼくのおじさん

 「むかしの家には、かならず変なおじさんがいて、ひごろから家でぶらぶらしていたものだ。そしてぼくに、”ちょっとわるいこと” などを教えてくれたりするのだった。」 そんな書き出しだったと思う。

 その内容は、叔父として居候同然に実家にいる自分のことを、そのまま代弁してくれるものだった。甥がどういう読み方をしたかは知らないが、後に大学生になった甥に聞くと、この本がきっかけになって小説などを読むようになり、その後の受験の国語ではほとんど苦労しなかったそうだ。