都市伝説

【現代カー伝説01「事故と霊」】

高速に移動すれば、当然事故も頻発するし事故死者もでる。となれば、事故と霊にまつわる噂が多いのはうなずけることである。事故多発地点には、かならずなにかが「でる」。 『事故多発地点での白い霊』 《 おまけですが、当時、私の通っていた大学の演劇部に…

現代カー伝説01-04

【現代カー伝説01-04】 現代社会にかかせない文明の利器といえばまず自動車があげられる。自動車の特性はいうまでもなく高速な移動を可能にした点であるが、噂の生成という観点からはその密室性をはずすわけにはいかない。「異空間伝説」の章でもふれたよう…

【異空間伝説08「二次元空間」】

<鏡の中> この章の最後でとりあげるのが「平面の世界」である。なかでも鏡は、古来より神秘的なものとして崇められてきた。写真や映画のなかった時代には、そっくり自分の姿かたちを写すものはおそらく鏡しかなかったであろう。自分と同じ姿が映るのは考え…

【異空間伝説07「密室の世界」】

<民家・アパート> 一般の住居にも怪異にまつわる話はたくさんある。借家・アパートなどで、あらたに移り住んだところ霊がいたという流れの話が多いようだ。 『二階の部屋にモノの気配』 《 秋田市銀の町の家 妹夫婦が,秋田に転勤して,たってから少したっ…

【異空間伝説06「異国・異界・境界」】

<外国> 『試着室ダルマ』のところでふれたが、主人公の若い女性はヨーロッパなどの都市の試着室からつれ去られ、東南アジアやアラブ世界などの第三世界でダルマとなって発見されることが多い。ここで、われわれ日本人が抱く「外国」には、対称的な二つのイ…

【異空間伝説05-3「縁切り伝説」】

この節で最後に取りあげるのが「縁切り伝説」のある特異空間である。その場所で男女カップルがデートをすると縁が切れるという噂であって、特にストーリーのある伝説というよりはほとんどジンクスに近いものである。まずは有名な井の頭公園の別れ伝説の紹介…

【異空間伝説05-2「自殺の名所」】

自殺者の集中するメッカとでもいうべき場所が各地にたくさんある。投稿の話題に出てきただけでも三原山・華厳の滝・青木ヶ原・東尋坊などなど、ふるくから自然の自殺の名所がいくつもある。それらの投稿でもふれられているが、自殺が自殺を呼び寄せるという…

【異空間伝説05-1「特異な空間」】

ここで取りあげるのは、明確に仕切られた閉鎖空間ではないが、ほかとは違った特異な現象がみられるような空間である。まずは、荒唐無稽な噂の引用からはじめてみよう。 『超能力研究所』 《 所謂「深夜ドライブ」ネタ。 「狭山湖周辺を深夜ドライブしている…

【異空間伝説04「劇場系」】

劇場やライブハウスといったパーフォーマンス空間には、やたらに霊や怪異現象の噂が多い。ほとんどすべての劇場にひとつやふたつの怪異譚があるといってもいいだろう。とりあえず「でる」といわれる劇場の報告を羅列してみよう。 『東京青山劇場に*でる*』 …

【異空間伝説03「医学伝説」】

いうまでもなく医学関係は、病気という生死の境界をとりあつかう世界である。しかも現在では、大半の人間がその死を病院でむかえるような状況となっている。とすれば、そのような死とむかいあう病院・医療関係に、多くの怪談があるのに不思議はない。 そのう…

【異空間伝説02-2「寮・下宿」】

学生などの寮や下宿も、同年輩の単身者が同じようなつくりの個室で生活するという同質性をもっている。若者のひとり暮らしということでそれなりの孤独感が強いであろうし、自殺者なども比較的でやすい環境にある。また同じような構造の生活空間にあるという…

【異空間伝説02-1「学校の怪談」】

学校の噂話が、一冊の書物にもなるぐらい(*1)たくさんあることには注目すべきだろう。全国の公立小中学校はほぼ同じような造りになっていて、そこに同年齢の同質的な生徒たちが長時間をすごしている。かつての伝説をうみだした閉鎖的な地域共同体が崩壊した…

【異空間伝説01-3「風呂場」】

裸になる場所といえば当然風呂場があげられる。風呂場には、温泉や公衆浴場のように多数がいっしょにはいる公共性のあるものと、家風呂のように個別性をもったものとがある。前者は密室とはいえないが、後者はトイレとならんで個室性・密室性をもったプライ…

【異空間伝説01-2「トイレ」】

トイレという場所も、部分的にであれ肌をあらわにする密室である。今回の投稿にはトイレに関する噂は比較的少なかったが、古くには、カワヤの神さまが現れるとか河童にシリコダマをぬかれるといった数多くのカワヤ伝説があった。この河童伝説と関連がありそ…

【異空間伝説01-1「試着室」】

おもえば人が身にものをまとうという行為は、人間が他の動物と分かたれる文化的原初のひとつであろう。とすれば、人は衣服を脱ぎ裸になるとき、日常性の中で隠ぺいされている遠い原初の秘密をかすかに想い起こすのかもしれない。いまこの秘密を正鵠にいいあ…

縁切り伝説について

5-3.縁切り伝説 この節で最後に取りあげるのが「縁切り伝説」のある特異空間である。その場所で男女カップルがデートをすると縁が切れるという噂であって、特にストーリーのある伝説というよりはほとんどジンクスに近いものである。まずは有名な井の頭公園の…

『縁切り伝説』

『縁切り伝説』 この節で最後に取りあげるのが「縁切り伝説」のある特異空間である。その場所で男女カップルがデートをすると縁が切れるという噂であって、特にストーリーのある伝説というよりはほとんどジンクスに近いものである。まずは有名な井の頭公園の…

都市伝説 学校の怪談

学校の噂話が、一冊の書物にもなるぐらい(*1)たくさんあることには注目すべきだろう。全国の公立小中学校はほぼ同じような造りになっていて、そこに同年齢の同質的な生徒たちが長時間をすごしている。かつての伝説をうみだした閉鎖的な地域共同体が崩壊した…

深泥池(みぞろがいけ)伝説

『深泥池のタクシー女性客』 《深泥池(みどろがいけ)の消えるタクシーの女性客 深夜、京都市北部の深泥池の先を指定する女性客が、深泥池付近を通りかかると消てしまいシートが濡れている、という話。 類似の話は、各地にありますね。》 「深泥池伝説」は…

カーネルサンダースの呪い

【カーネルサンダースの呪い】 「本日はケンタッキーの父カーネル・サンダースの命日です。35年前の1980年90歳でお亡くなりになられました」という記事がありました。関連してのコメント、いくつかを◎軍歴では一兵卒で大佐(カーネル=Colonel)になっ…

リカちゃん人形の悲惨(都市伝説より)

6-1.リカちゃん人形解体 ひと時代まえに流行した「リカちゃん人形」の例から取りあげてみよう。『#389-1リカちゃんダルマ』 《母が人形が妙に好きです。ぬいぐるみであれヒトガタであれ、人形をもらうといやに喜びます。 最近、日本人形とフランス人形を一体…

(’00/07/13) インターネット時代と都市伝説

インターネット時代と都市伝説 「デジ委書庫」に掲載している拙論、『現代伝説考』http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/txt_den/densetu1.htmを見て某誌ライターよりインタビューの依頼があった。「インターネット時代になぜ都市伝説が流行るのか」というテーマ…

現代伝説考 一括掲載

『現代伝説考(全)』はこちらで読めます。書籍デジタル化委員会 電子図書館 書庫http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/txt_den/densetu1.htm

現代伝説考31

4.水と妖怪 今回の蒐集では、本格的な妖怪の話題は予想以上にすくなかった。その理由のひとつには、先にのべたように現代人の生活環境には妖怪が棲みづらくなっていることが考えられる。水に関連してでてきた妖怪は、水辺に棲む妖怪の代表である「河童」の…

現代伝説考30

3.水と霊・祟り 女性とは特定できない霊や怪異のたぐいをここに集めた。「水」が霊や祟り・因縁と結びつきやすい、といった共通項程度しかさしあたっては思いうかばない。個別の話にあたっていこう。3-1.水の特異空間 『#106-13教会の井戸』 《京都ハリス…

現代伝説考29

2.水と死体 『#423-1死体洗いのバイト』 《死体が浮くかどうかの専門的なお話ではないのですが、「死体洗いのバイト」と共に、「浮いてくるホルマリン漬けの死体を沈めるバイト」という話もあったことを、ふと思い出しました。》 すでに「医学伝説」でのべ…

現代伝説考28 第六章.美女と湖水のフォークロア

第6章.美女と湖水のフォークロア この最終章では幅ひろく「水」に関係する話題を集めた。現代の伝説を取りあげるにあたって、まず第1章「異空間伝説」を中心として現代人の生活空間に焦点をあてた。また第3章「人体と人格のメタモルフォーシス」を核とし…

現代伝説考27

4.著名人・職業柄・県民性 4-1.著名人伝説 特定の著名人が、その個性のただよわせる雰囲気と結びつけられて噂となることもよくあることだ。だれでも知っている有名人であるだけに、ちょっとした笑話として流布しやすいところがある。『#131-2市長選挙に出…

現代伝説考26

3.あやしげな行為 『#35-1入門書を読む執刀医』 《手術台に横たえられた患者の前に、『外科手術入門』という本を持って現れる執刀医、なんてのはタチの悪いユーモアかな(^^;。》 ここでとりあげるのはさきの「変人・奇人」とは異なり、普通の人でありその…

現代伝説考25

2.怪人 『#1-1怪人赤マント』 《むかし小学生のあいだで「赤マント」伝説がありました。なんでも「赤マント」という怪人が電柱の陰などにかくれていて、こどもをさらってゆくというのです。わたしたちはその恐怖におびえました。ついこのあいだ、こんどは…